EUのメトルダウン? [状況と歴史]
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2010年01月31日01:41
EUは既にメルトダウン局面に入っている
先週はオバマ大統領の一般教書演説、ベン・バーナンキFRB議長の再任投票、AIG救済に関する議会での公聴会、アップルのiPad発表、相次ぐ決算発表など、材料が目白押しでした。
この忙しさに紛れて比較的注目されなかったけど、先週、EUの危機は一層深刻なステージに入りました。
下のチャートはスペインのサンタンデール銀行(STD)です。このチャートは何か重大な異変が起きている事を絶叫しています。

現在、EUで起こっている事で最重要な点は世界の機関投資家がもはやギリシャのレトリックを信じなくなってしまったことです。
ギリシャは財政赤字を12.7%から2013年までに3%に圧縮すると公約しています。
これはとても立派な目標なのですが、残念ながら誰も信用していません。(ギリシャ政府自身も出来っこないと思っている筈です。)
だからどんなに美辞麗句を並べ立てても投資家の心は動かないのです。
ギリシャの財政立て直しプランが説得力を持たない理由は、それを実施しても国民が甞める経済的辛苦が深まるだけで、どうやって成長を導きだすか?というロードマップが無いからです。
もちろん、ギリシャそのものは小さい国なので「ギリシャがこけても大したことは無い」という議論もあります。
しかし既にギリシャにおける危機はスペインにも飛び火しそうになっていることは上のサンタンデール銀行の株価を見れば明白です。
スペインがおかしくなると、その影響はギリシャの比ではありません。先ずスペインの銀行セクターはECBからの「裏口支援」で800億ユーロもの支援を受けています。
スペインもギリシャ同様、自国の財政赤字を大幅に削減するプランを打ち出す必要があるし、それは公的部門での給与カットなどを意味します。さらに今後どういう経路で成長を導きだすか?という、ギリシャが直面するのと全く同じ問題に直面しているのです。
問題はスペインやギリシャにはめぼしい輸出産業は無く、直接、これらの国が中国や日本などと競争して輸出を増やすというシナリオは無理がある(というより滑稽に近い)ということです。
すると先ずドイツなど、世界に輸出する産業基盤の出来あがっている国での輸出を増やし、ドイツが景気が良くなったら、そのドイツに対していろいろな周辺的サービスや財を提供するというカタチで景気を浮揚するしかないのです。
これは言い換えればEU圏全体での問題解決法です。
そのためにもユーロは安くなければいけないのです。
今年の相場のテーマは先進国で比較的経済が成熟しており、人口が増えていない国で、なおかつ大きな負債を抱えている国がソブリン・クライシスを切り抜けられるか?という問題です。
残念ながら、日本もこのグループの中に括られて、スペインなどと一緒に議論されています。
しかし僕の考えでは日本の問題はそれらの国より取り組み易いと思っています。なぜならしっかりした、競争力のある製造業のベース、輸出のベースが出来ているからです。
つまり「生まれ変わる(re-invent oneself)」ことを要求されていないのです。
逆に言えば、日本にはそういうアドバンテージがあるにもかかわらず愚鈍な円高政策でみすみす「万が一のための」財務的なバッファーを築くチャンスを逸しているのは残念でなりません。












